マイナビ・日経 大学生就職企業人気ランキング
2025年卒〜2027年卒 3年間トレンド完全分析
エグゼクティブサマリー
マイナビ・日経が共同実施する大学生就職企業人気ランキング(2025〜2027年卒)の3年間データを分析し、新卒採用市場における構造的変化を明らかにした。以下は主要な発見事項である。
調査概要
本ランキングは、マイナビと日本経済新聞社が共同で実施する日本最大規模の新卒就職意識調査に基づく。1978年の開始以来46年の歴史を持ち、新卒採用市場の動向を映す最も信頼性の高い指標として広く参照されている。
調査方法
Webアンケート形式で実施。全国の大学3年生・大学院1年生を対象に、就職したい企業を最大5社まで記入するエントリー方式を採用。文系・理系別に集計し、得票数に基づきランキングを作成する。
文系総合ランキング TOP10(3年間推移)
2027年卒 文系総合TOP10
文系3年間ランキング比較表
| 順位 | 2025年卒 | 得票 | 2026年卒 | 得票 | 2027年卒 | 得票 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ニトリ | 1,400 | ニトリ | 1,248 | ニトリ | 1,043 |
| 2 | みずほFG | 766 | みずほFG | 683 | 味の素 | 638 |
| 3 | 伊藤忠商事 | 753 | 味の素 | 653 | 伊藤忠商事 | 530 |
| 4 | 三菱UFJ銀行 | 690 | 伊藤忠商事 | 591 | コナミグループ | 449 |
| 5 | 味の素 | 675 | JAL | 573 | セガ | 441 |
| 6 | 東京海上日動火災保険 | 615 | 良品計画 | 512 | ANA | 425 |
| 7 | JAL | 614 | JTBグループ | 505 | JTBグループ | 416 |
| 8 | セガ | 552 | ANA | 491 | トヨタ自動車 | 407 |
| 9 | JTBグループ | 518 | バンダイ | 490 | みずほFG | 401 |
| 10 | バンダイ | 484 | コナミグループ | 453 | Sky | 396 |
理系総合ランキング TOP10(3年間推移)
2027年卒 理系総合TOP10
理系3年間ランキング比較表
| 順位 | 2025年卒 | 得票 | 2026年卒 | 得票 | 2027年卒 | 得票 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ソニーグループ | 671 | ソニーグループ | 533 | 味の素 | 460 |
| 2 | 味の素 | 477 | 味の素 | 487 | Sky | 331 |
| 3 | KDDI | 389 | Sky | 384 | KDDI | 270 |
| 4 | Sky | 380 | KDDI | 315 | Honda | 252 |
| 5 | パナソニックグループ | 312 | パナソニックグループ | 299 | 三菱重工業 | 219 |
| 6 | 三菱重工業 | 293 | NTTデータ | 257 | ダイキン工業 | 216 |
| 7 | NTTデータ | 251 | 三菱重工業 | 246 | デンソー | 215 |
| 8 | キヤノン | 227 | トヨタ自動車 | 245 | トヨタ自動車 | 210 |
| 9 | セガ | 226 | サントリーグループ | 220 | セガ | 191 |
| 10 | トヨタ自動車 | 210 | デンソー | 200 | パナソニックグループ | 180 |
3年間トレンド比較分析
文系:主要企業の順位推移
| 企業名 | 2025年卒 | 2026年卒 | 2027年卒 | 3年間トレンド |
|---|---|---|---|---|
| ニトリ | 1位 | 1位 | 1位 | — 安定首位 |
| 味の素 | 5位 | 3位 | 2位 | +3 上昇 |
| コナミグループ | 圏外 | 10位 | 4位 | 急上昇 |
| セガ | 8位 | 圏外 | 5位 | +3 回復 |
| みずほFG | 2位 | 2位 | 9位 | -7 下降 |
| 三菱UFJ銀行 | 4位 | 圏外 | 圏外 | 大幅下降 |
| 東京海上日動 | 6位 | 圏外 | 圏外 | 大幅下降 |
| トヨタ自動車 | 圏外 | 圏外 | 8位 | 新規ランクイン |
理系:主要企業の順位推移
| 企業名 | 2025年卒 | 2026年卒 | 2027年卒 | 3年間トレンド |
|---|---|---|---|---|
| 味の素 | 2位 | 2位 | 1位 | +1 首位奪取 |
| ソニーグループ | 1位 | 1位 | 圏外 | 王座陥落 |
| ダイキン工業 | 圏外 | 圏外 | 6位 | 115位から大躍進 |
| KDDI | 3位 | 4位 | 3位 | — 安定上位 |
| Sky | 4位 | 3位 | 2位 | +2 着実上昇 |
| Honda | 圏外 | 圏外 | 4位 | 新規ランクイン |
| NTTデータ | 7位 | 6位 | 圏外 | 下降 |
| トヨタ自動車 | 10位 | 8位 | 8位 | — 安定 |
戦略分析
構造的変化:企業評価軸のパラダイムシフト
3年間のデータを俯瞰すると、学生の企業評価基準に明確な構造変化が認められる。従来型の「知名度主導」選社モデルから、より合理的かつ多面的な評価へと移行している。
セクター別ドライバー分析
ゲーム・エンタメの急上昇要因
コナミ(文系4位)・セガ(文系5位/理系9位)の躍進は、メタバース・eスポーツ市場の急成長期待、Z世代のデジタルネイティブとしての親和性、IP(知的財産)ビジネスの収益可視化、そして業界全体の待遇改善が複合的に作用した結果である。
製造業の再評価要因
ダイキン工業の115位から6位への大躍進に象徴されるように、カーボンニュートラル対応力・グリーン技術への投資が学生の評価軸に合致。三菱重工業・デンソーなど「社会インフラ×技術力」を有する企業群が再評価されている。
金融セクターの波動要因
みずほFGは2025年卒で文系2位だったが、2027年卒では9位に後退。三菱UFJ銀行・東京海上日動もTOP10圏外に。金利上昇期待による一時的人気と、フィンテック企業との人材獲得競争激化が背景にある。
KDDIの大躍進の因果構造
2025年卒理系で前年121位から3位への+118位の異例の大躍進を記録。通信インフラ×DX×スタートアップ投資という成長ストーリーの明確化と、積極的な採用ブランディング戦略が奏功。以降も3〜4位を安定維持している。
業界別スコアカード
注目企業分析
「お、ねだん以上。」で知られるニトリホールディングスが、文系部門で4年連続首位を堅持している。その背景には、36期連続増収増益という成長実績の可視性、グローバル展開(2032年に3,000店舗目標)の具体性、そしてジョブ型採用制度の導入による「入社後のキャリアパスが見える」安心感がある。
票数は2025年卒の1,400票から2027年卒の1,043票へと漸減傾向にあるが、2位との差は依然として大きく、圧倒的首位の座は揺るがない。
味の素は文系・理系双方でTOP3以内を維持する唯一の企業である。2027年卒では理系1位・文系2位を獲得。食品メーカーとしての安定基盤に加え、アミノサイエンスによるヘルスケア・電子材料事業、そしてサステナビリティ経営の先進性が、文理問わず学生から高い評価を集めている。
特に理系では「研究成果が事業化につながる」実感が持てる点が、基礎研究と応用のバランスを重視する学生に刺さっている。
2025年卒理系で前年121位から3位へ+118ランクの大躍進を記録したKDDIは、採用ブランディング戦略の成功事例として注目に値する。通信インフラ×DX推進×スタートアップ投資(KDDI ∞ Labo)という多面的成長ストーリーの発信、および技術系学生向けインターンシップの大幅拡充が奏功した。
その後も3〜4位を安定的に維持しており、一過性のブームではなく構造的な評価向上であることが確認される。
コナミグループは2026年卒で文系10位に初登場し、2027年卒では4位に急上昇。セガも文系5位・理系9位と高い支持を集める。背景にはeスポーツ市場の成長(2025年に約1,000億円規模)、メタバースへの投資拡大、IPビジネスのグローバル展開がある。
Z世代にとってゲームは「趣味」ではなく「産業」であり、クリエイティブとテクノロジーが融合する魅力的なキャリアフィールドとして認識されている。
2027年卒理系で前年115位から6位へ急浮上したダイキン工業は、「グリーン製造業」の代表的成功事例である。空調機器のグローバルトップシェアに加え、ヒートポンプ技術によるカーボンニュートラル貢献、そしてAI・IoTを活用したスマート空調への進化が、環境意識の高い理系学生に強く響いた。
BtoBメーカーでありながらこれほどの順位上昇を実現した点は、採用広報戦略の見直しが効果を発揮した証左でもある。
今後の展望
ソニーグループの2028年卒復帰可能性
2027年卒で理系TOP10から姿を消したソニーグループだが、これは構造的弱体化よりも一時的な変動と見るのが妥当である。PlayStation事業の好調、半導体イメージセンサーの世界シェア維持、エンタメ×テクノロジーの融合戦略は依然として強固であり、採用広報の再強化により2028年卒での復帰が十分に見込まれる。
AIネイティブ企業の台頭
現時点ではAI専業企業はランキング上位に見られないが、生成AI時代の到来とともに、Preferred Networks、ABEJA、さらにはグローバルAI企業の日本法人が今後ランクインしてくる可能性がある。特に2028〜2029年卒世代は「AI世代」として、技術トレンドに敏感な選社行動が予測される。
製造業DXの持続性
ダイキン・三菱重工業・デンソーなどの製造業再評価が一過性かどうかは注目ポイントである。カーボンニュートラル投資の本格化、EV・水素関連技術の社会実装が進む限り、グリーン製造業の人気は中期的に持続する可能性が高い。
ゲーム業界の天井
コナミ・セガ・バンダイの人気急上昇は印象的だが、業界規模や採用枠の制約を考えると、ランキング上位への定着には限界がある。ただしIPビジネスのグローバル展開が加速すれば、「エンタメ×テクノロジー」セクターとして独自のポジションを確立する可能性もある。
地方企業の不在
TOP10には東京・大阪圏の大企業が集中しており、地方の有力企業の姿は見られない。リモートワーク普及や地方創生の文脈で、今後地方発の魅力的な企業がランクインするかどうかは、新卒市場の多様化を占う一つの指標となる。
よくある質問(FAQ)
出典・参考文献
- マイナビキャリアリサーチLab公式サイト
-
2025年卒 マイナビ・日経 就職企業人気ランキング
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20240409_73681/ -
2026年卒 マイナビ・日経 就職企業人気ランキング
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20250415_95375/ -
2027年卒 マイナビ・日経 就職企業人気ランキング
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20260420_109950/
本レポートについて
本レポートは、GBase マーケティング部が公開データに基づき独自に分析・作成したものです。
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