業界分析レポート

日本大企業 退職金ランキング
完全ガイド(2024〜2025年版)

三菱商事9,200万円トップ、大企業平均2,858万円

作成日: 2026年4月17日 | 作成者: GBase マーケティング部

最高額退職金(推計)
9,200万円
三菱商事
大企業定年退職金平均
2,858万円
総合職・大卒
全体平均退職金
1,896万円
2023年調査
制度実施企業割合
74.9%
2008年比 ▲9.0pt
主要な発見

日本企業の退職金は2008年から2023年で約427万円(▲18.4%)減少。一方で、三菱商事・JAL・ホンダなど一部企業は極めて高水準を維持。大企業と中小企業の格差は約2〜3倍に拡大している。

1. 退職金の最新動向まとめ

指標 数値 備考
大企業(大卒・総合職)定年退職金平均 約2,858万円 2023年調査
全体平均(大学・大学院卒 定年) 約1,896万円 2008年比 ▲427万円
退職金制度を持つ企業割合 74.9% 2008年比 ▲9.0pt
大企業で退職金制度を持つ割合 約90%以上
最高額(三菱商事) 約9,200万円 推計値
退職金年々低下傾向

2008年平均2,323万円 → 2023年平均1,896万円(▲427万円)の減少。低金利環境による財源確保困難と、雇用システムの変化が主因。

2. 企業別 退職金ランキング TOP10

順位 企業名 業界 退職金(推計) 備考
1 三菱商事 商社 約9,200万円 基本給が高く年功序列文化が強い
2 日本航空(JAL) 航空業 約8,000万円 大規模組織・終身雇用型
2 ホンダ(本田技研工業) 自動車 約8,000万円 日本を代表する製造業大手
4 小学館 総合出版社 約6,500万円 出版業界トップクラス
5 東燃ゼネラル石油 石油 約6,300万円 石油業界は全体的に高水準
6 大阪ガス ガス 約6,000万円 インフラ業界・安定雇用
7 第一三共 医薬品 約6,000万円 製薬大手・高収益
8 みずほ銀行 銀行 約5,200万円 3大メガバンクの1つ
9 住友生命 保険業 約5,100万円 生命保険大手
10 東京電力 電力 約5,100万円 電力業界・インフラ系
退職金TOP10企業の金額分布
三菱商事
9,200万円
9,200万円
JAL/ホンダ
8,000万円
8,000万円
小学館
6,500万円
6,500万円
東燃ゼネラル
6,300万円
6,300万円
大阪ガス/第一三共
6,000万円
6,000万円
みずほ銀行
5,200万円
5,200万円
住友生命/東京電力
5,100万円
5,100万円

3. 大企業 業界別 退職金ランキング

順位 業種 調査社数 平均退職金
1 製造業(石油) 2社 2,614万円
2 製造業(非鉄金属) 2社 1,807万円
3 新聞・放送 5社 1,780万円
4 商事(総合商社) 3社 1,585万円
5 鉱業 2社 1,571万円
6 電力 2社 1,571万円
7 製造業(窯業・土石製品) 2社 1,524万円
8 製造業(電気機器) 4社 1,514万円
9 製造業(製鉄・製鋼) 2社 1,367万円
10 私鉄・バス 12社 1,315万円
ポイント: 石油業界の突出した高水準

石油業界は少数の大企業が独占する市場特性から、退職金も高水準。電力・ガスなどインフラ系も高め。一方、銀行・保険業は554万円と意外にも低い水準(調査対象の偏りの可能性)。

業界別平均退職金 TOP10
石油
2,614万円
2,614万円
非鉄金属
1,807万円
1,807万円
新聞・放送
1,780万円
1,780万円
総合商社
1,585万円
1,585万円
鉱業・電力
1,571万円
1,571万円
電気機器
1,514万円
1,514万円

4. 中小企業 業界別 退職金ランキング

順位 業種 退職金(大卒・定年時)
1 金融・保険業 1,940万円
2 教育・学習支援業 1,244万円
3 卸売・小売業 1,239万円
4 情報通信業 1,192万円
5 製造業 1,107万円
6 生活関連サービス業・娯楽業 1,054万円
7 不動産・物品賃貸業 1,012万円
8 サービス業(他分類を除く) 969万円
9 学術研究・専門技術サービス業 964万円
10 運輸・郵便業 938万円
11 建設業 929万円
12 宿泊・飲食サービス業 358万円
13 医療・福祉 342万円
中小企業の格差

金融・保険業(1,940万円)と医療・福祉(342万円)の間に約5.7倍の格差。業種によって退職金水準が大きく異なる。

5. 企業規模別 退職金比較

大企業(総合職)
2,858万円
100%
中小企業(100-299人)
1,323万円
46.3%
中小企業(50-99人)
1,142万円
39.9%
中小企業(10-49人)
979万円
34.2%
大企業の退職金は中小企業の約2〜3倍

基本給格差・勤続年数格差・制度充実度格差の三重構造が要因。大企業への就職は退職金面でも大きなアドバンテージがある。

6. 勤続年数別 退職金相場(大企業)

大企業 総合職(大卒)

勤続年数 年齢目安 自己都合退職 会社都合退職
3年 25歳 34万円 70万円
5年 27歳 63万円 121万円
10年 32歳 183万円 306万円
15年 37歳 403万円 585万円
20年 42歳 762万円 1,022万円
30年 52歳 1,772万円 2,055万円
定年 60歳 2,858万円
退職事由による格差

勤続20年で自己都合762万円 vs 会社都合1,022万円と、260万円の差。定年まで勤続すると2,858万円に達する。

7. 退職金制度の変遷と現状

退職金制度を持つ企業割合と平均額の推移

調査年 制度あり企業割合 平均退職金額(大卒定年) 前回比
2008年 83.9% 2,323万円
2013年 75.5% 1,941万円 ▲382万円
2018年 80.5% 1,983万円 +42万円
2023年 74.9% 1,896万円 ▲87万円

制度変化のトレンド

年功型 → 成果主義
移行中
ポイント制退職金導入企業が増加
企業型DC導入
加速
確定拠出年金採用企業増加
支給額減少
継続
低金利環境で財源確保困難

8. 退職金が高い企業・業界の特徴と考察

なぜ高い?高額退職金の共通要因

高い基本給
基本給 × 年数係数
退職金算定式で指数的に増幅
終身雇用・年功序列
長期雇用文化
三菱グループ、銀行・保険業界
市場の寡占性
安定高収益
石油・電力などインフラ系
労働組合の交渉力
水準維持
JAL・JR等は組合が強い

業界別ランキングのポイント整理

高い業界

大企業: 石油 > 非鉄金属 > 新聞・放送 > 商社 > 鉱業・電力

中小企業: 金融・保険 > 教育・学習支援 > 卸売・小売 > 情報通信

低い業界

介護事業所(107万円)、医療・福祉(342万円)、宿泊・飲食(358万円)が最低水準。人手不足・低賃金・高離職率の悪循環。

9. キャリア戦略への示唆

セクター別「退職金期待値」評価

総合商社・石油・航空
A+
極めて高いが入社難易度も極めて高い
銀行・保険・電機大手
A
高い水準、業界再編の影響に注意
IT大手・自動車
B+
中程度、ストックオプション重視も
介護・医療・福祉
D
退職金を重視するなら避けるべき
個人投資家・ビジネスパーソンへの提言

1. 退職金「だけ」に依存しない資産形成 – 退職金制度の縮小トレンドは不可逆。iDeCo・NISAの積極活用が必須。

2. 「生涯退職金総額」で企業を評価 – 単年度の年収だけでなく、退職金を含めた生涯報酬で比較。三菱商事の9,200万円は年収換算で年間約230万円相当。

3. 転職時の退職金インパクト評価 – 大企業から中小企業への転職は退職金面で大幅な機会損失。

よくある質問(FAQ)

Q1: 退職金が最も高い企業はどこですか?
三菱商事が推計約9,200万円で最高額です。総合商社トップの基本給水準と年功序列型の報酬体系が要因です。2位はJALとホンダの約8,000万円です。
Q2: 大企業と中小企業の退職金格差はどのくらいですか?
大企業の定年退職金平均は約2,858万円(総合職)に対し、中小企業(10〜49人)は約979万円で、約2.9倍の格差があります。基本給格差・勤続年数格差・制度充実度格差の三重構造が原因です。
Q3: 退職金制度は今後どうなりますか?
制度を持つ企業割合は2008年の83.9%から2023年の74.9%へ低下しており、縮小傾向にあります。確定給付型(DB)から確定拠出型(DC)への移行が進み、従業員の自己責任による運用にシフトしています。
Q4: 退職金が高い業界はどこですか?
大企業では石油業界(平均2,614万円)が最高で、非鉄金属(1,807万円)、新聞・放送(1,780万円)と続きます。中小企業では金融・保険業(1,940万円)が最高です。
Q5: 転職すると退職金はどうなりますか?
自己都合退職の場合、勤続20年で大企業総合職は762万円、会社都合の場合は1,022万円です。転職により勤続年数がリセットされるため、退職金面では不利になります。企業型DCのポータビリティ(持ち運び)を活用することで影響を軽減できます。

10. 注意事項・免責

データ利用の注意点

本資料に記載の企業別退職金は各種公開情報・複数情報源をもとに独自集計した推計値です。実際の退職金は在籍年数・役職・退職事由・各社規定によって大きく異なります。業界別データは厚生労働省・東京都産業労働局の統計調査(2021〜2023年版)に基づきます。退職金制度・金額は今後も変更される可能性があります。転職・就職の意思決定には必ず各企業の就業規則・採用情報をご確認ください。

11. 参考データソース

ソース 内容
厚生労働省「就労条件総合調査」(2023年) 制度実施率・平均退職金額
厚生労働省(中央労働委員会)「令和5年退職金・年金及び定年制事情調査」 勤続年数別モデル退職金
厚生労働省「賃金事情等総合調査」(2021年) 大企業・業界別退職金
東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」 中小企業・業種別退職金
就活の教科書「退職金が多い大企業/業界ランキング」(2026年4月更新) 企業別ランキング独自集計
三井住友銀行 Money VIVA「退職金の平均・相場は?」(2025年1月) 総合解説

このレポートについて

本レポートはGBaseマーケティング部が、厚生労働省・中央労働委員会・東京都産業労働局の公的統計データおよび複数の民間調査資料を統合し、独自分析を行ったものです。日本企業の退職金制度の現状とトレンドを理解し、キャリア戦略・企業選びの参考にしていただくことを目的としています。

最終更新: 2026年4月17日 | GBase GTM マーケティング部

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